広報部の目黒志帆美です。
新入生を迎えた川内キャンパスは、若葉と青空の
コントラストが美しい季節を迎えています。
授業が再開して2週間。
HARUのメンバーも、学業とボランティアの両立を目指し、
復興に向けて自分ができることを模索しています。
今週もHARUのメンバーによる図書館の復旧作業が行われました。
5月18日(水)は附属図書館本館の書庫地下一階で
HARUのメンバー約10人が作業をしました。
本館地下1、2階の書庫には古典資料や大型本など
約90万冊の蔵書があります。
職員の方々による懸命の復旧作業によって、床に散乱した本の大部分は
書架に収められました。書庫の利用はすでに可能となっています。
この日は、余震に備え、本を書架にひもでくくりつける作業が行われました。
この活動に参加した経済学部2年の男子学生は、授業が再開するまで
しばらくは山形県米沢市にある実家で過ごしていたといいます。
米沢市では、福島原発の避難区域から避難してきた人たちを支援する
ボランティア活動をしてきたとのこと。授業再開にともない戻ってきたが、
「勉強していても落ち着かない。大学でも、自分が何かの役に立てるなら
と思って参加している」と話していました。
法学研究科博士前期課程1年の男子学生は、「京都大学の友人が
宮城県の被災地でボランティアをしていて刺激を受けた」と
HARUの活動に参加するきっかけを語ってくれました。
工学研究科博士後期課程1年の男子学生は、この春、
博士後期課程進学のため、震災直後に新潟市から仙台市へと
引っ越してきました。「震災を伝えるニュースを見ていたら
自然と足が動いていた」とこの活動に参加したときの気持ちを
話してくれました。
いずれのメンバーも、ひもで本をくくる手を休めず、一言一言、
かみしめるように語ってくれたことが印象に残りました。
こうしたHARUのメンバーによる図書館の復旧活動に、
図書館の職員の方からは感謝の言葉をいただきました。
震災で図書館職員の方々が最も心を痛めていたのは
貴重図書の被災についてでした。
図書館本館の2号館には、貴重書庫という部屋があります。
数百年前に書かれた世界的に貴重な資料や、
夏目漱石直筆の書簡、初版本などが厳重に保管されています。
この部屋では、地震に強い構造の書架を使用するなどして、
貴重な書籍を厳重に管理する体制が整えられていました。
にも関わらず、この部屋の一部の書籍は、転落防止バーを飛び越えて
床に散乱してしまったそうです。
3.11の約3分間にわたった揺れのすさまじさを物語っています。
貴重図書は今後、職員や専門業者の手によって修復されますが、
被災額は相当額にのぼるとみられます。
ある図書館職員の方は「被災した貴重図書のことを考えると、
涙が出てきます」と肩を落としていました。
HARUメンバーによる図書館復旧のお手伝いは
来週以降も続けたいと思っています。
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